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概要
ここではレプリカ環境サーバでのアップグレード手順(2020.1 -> 2022.1)を説明しています。
Ver2022.1へのアップグレードでは、外側のエッジサーバなどは中心のコミットサーバのアップグレード完了までプロセスを停止する必要がなくなりました。
これにより、外側のサーバ順にアップグレード作業を任意のタイミングで実施することができます。実際のアップグレード処理は、コミットサーバがアップグレードされた段階で内側のサーバ順にバックグラウンドで処理が開始されます。
※パッケージインストールではない場合の手順です。
手順
重要
この手順では、以下のコミット - エッジサーバ構成でのアップグレード手順を紹介しています。
例) エッジサーバ2 --- エッジサーバ1 --- コミットサーバ
レプリカ環境構成では、外側のサーバ(例ではエッジサーバ2)からアップグレードを行い、次にエッジサーバ1のアップグレードを行います。
事前準備
1.チェックポイントの取得【コミットサーバで作業します】
p4dプログラムのバージョンアップを開始する前にチェックポイントを取得します。
チェックポイントを取得するには、以下のコマンドを実行します。
p4d -r P4ROOT -jd
※ P4ROOT:環境に適したパスを指定
2.チェックポイントの取得【エッジサーバで作業します】
p4dプログラムのバージョンアップを開始する前にチェックポイントを取得します。
チェックポイントを取得するには、以下のコマンドを実行します。
p4d -r P4ROOT -jd
※ P4ROOT:環境に適したパスを指定
3.p4dプログラムのバックアップ【全てのサーバで作業します】
既存のp4dプログラムをバックアップします。
ここでは、既存のp4dプログラムが/usr/sbinに配置されている前提とします。
mv /usr/sbin/p4d /usr/sbin/p4d_20201
4.p4dプログラム(Ver.2022.1)のダウンロード【全サーバで作業します】
ダウンロードサイトからp4dプログラム(Ver.2022.1)をダウンロードします。
ここでは、p4dプログラムを/tmpへダウンロードしたものとして説明します。
5.パーミッション設定【全サーバで作業します】
ダウンロードしたp4dプログラムへ実行権を追加するため、以下のコマンドを実行します
chmod +x /tmp/p4d
6.p4dプログラム(Ver.2022.1)の配置【全サーバで作業します】
手順4でダウンロードしたp4dプログラム(Ver.2022.1)を/usr/sbin配下へ配置します。
mv /tmp/p4d /usr/sbin
7.p4dバージョンの確認【全サーバで作業します】
以下のコマンドを実行し、p4dバージョンがアップグレードされていること、コマンドパスが通っていることを確認します。
p4d -V
...
Rev. P4D/LINUX26X86_64/2022.1/2305383 (2022/06/28).
License: none
アップグレード作業
1.エッジサーバ2の停止
以下のコマンドから、エッジサーバ2を停止します
p4 -p server:port -u super admin stop
※ server:port:アップグレード対象のサーバ(ここではエッジサーバ2)を指定
※ super:super権限ユーザを指定
2.Helix Coreデータベースの更新【エッジサーバ2で作業します】
以下のコマンドを実行して、Helix Coreデータベースを更新します。
p4d -r P4ROOT -xu
※ P4ROOT:環境に適したパスを指定
Upgrades will be applied from '-xu' at upstream server
3.エッジサーバ2の起動
通常の運用手順にてエッジサーバ2を起動します。
p4d -r P4ROOT -p 1666 -L log -v server=3 -d
4.エッジサーバ1の停止
以下のコマンドから、エッジサーバ1を停止します。
p4 -p server:port -u super admin stop
※ server:port:アップグレード対象のサーバ(ここではエッジサーバ1)を指定
※ super:スーパ権限ユーザを指定
5.Helix Coreデータベースの更新【エッジサーバ1で作業します】
以下のコマンドを実行して、Helix Coreデータベースを更新します。
p4d -r P4ROOT -xu
※ P4ROOT:環境に適したパスを指定
Upgrades will be applied from '-xu' at upstream server
6.エッジサーバ1の起動
通常の運用手順にてエッジサーバ1を起動します。
p4d -r P4ROOT -p 1666 -L log -v server=3 -d
7.コミットサーバの停止
以下のコマンドから、コミットサーバを停止します。
p4 -p server:port -u super admin stop
※ server:portには、アップグレード対象のサーバ(ここではコミットサーバ)を指定
※ superには、スーパ権限ユーザを指定
8.Helix Coreデータベースの更新【コミットサーバで作業します】
以下のコマンドを実行して、Helix Coreデータベースを更新します。
p4d -r P4ROOT -xu
※ P4ROOTには、環境に適したパスを指定
Upgrades will be applied at server startup.
9.コミットサーバの起動
通常手順でコミットサーバを起動します。
p4d -r P4ROOT -p 1666 -L log -v server=3 -d
※ P4ROOT:環境に適したパスを指定
10.Helix Coreバージョンの確認
以下のコマンドを実行し、起動したコミットサーバ、エッジサーバ1、エッジサーバ2のバージョンがアップグレードされていることを確認します。
p4 -Ztag info
...
serverVersion P4D/LINUX26X86_64/2022.1/2305383 (2022/06/28)